英語塾に通っても文法力がつくだけで、会話力は身につかないでしょうか?英語塾に通う目的は受験対策でしょうか?

そのとおりです。一般的に、英語塾に通うと文法力と読解力は身につきますが、会話力の習得は難しいといえます。

いろいろな英語塾がありますが、英語塾に通う主な目的は受験対策です。それが、小中高生が英語を学ぶ一番の動機だからです。そして、受験はまだまだ読解に偏っていて、ほとんどが読解の能力を測るテストです。当然、英語塾も読解に重点を置いて教えることになります。

会話力はどう身につけたらいい?

そうした状況の中でどのように会話力を向上させるか、いくつか方法をあげてみます。

  • 英会話スクールへ通う
  • オンライン英会話を受講する
  • 4技能対応の英語塾や学習塾などで学ぶ

身につかない英会話スクール

1番目は、英会話スクールへ通うことです。ただし、これはあまりお勧めしません。話す量が圧倒的に足りないからです。週1回50分ぐらいのレッスンで、しかもグループクラスだと、生徒1人が話す時間は非常に短くなります。そのため、英会話スクールへ通っても話せるようにはならないケースが多く見られます。

効果の高いオンライン英会話

2番目はオンライン英会話の受講で、最もお勧めする方法です。オンライン英会話はたくさん話せて受講料が安く、その上便利です。25分くらいのプライベートレッスンで、1ヵ月毎日受講しても5,000円程度のところもあり、家にいながら受講できます。週2、3回のオンライン英会話を続ければ、少しずつ話せるようになっていくと思います。

4技能対応の英語塾や学習塾は、学習効果の見定めが必要

3番目は、4技能対応の英語塾や学習塾、予備校、英語教室、英会話スクールなどで学ぶことです。4技能に対応する民間英語教育機関は徐々に増えてきていて、日本人講師が文法、読解、外国人講師が会話、ライティングと分担して教えるのが一般的です。ただし、そうした教育機関は指導法がさまざまで、指導力に差があるので注意が必要です。例えば、日本人講師と外国人講師が分担して教えていても、ただ単に分けているだけのようなところもあります。それであれば、日本人講師だけの英語塾に通って、それとは別に英会話スクールで外国人講師と会話を学んでもあまり変わりはありません。

また、4技能対応の英語塾などで英検に力を入れているというところも多いですが、英検のテストはパターン化しているので、それに向けた練習を繰り返せばそれなりに点数が取れてしまいます。本質的な会話指導、ライティング指導をしておらず、そのため、4技能対応を謳ってはいても実際は会話力やライティング力がそれほど身につかない場合もあります。もしも4技能対応の英語塾を選んだなら、それで本当に話せるようになっているか、通いながらよく見定めることが必要だと思います。

英語塾も会話力向上に役立つ

最後にもう一点お伝えしておきたいことがあります。それは、英語塾で会話が学べなくても、会話力向上には役立つということです。第1言語習得と第2言語習得について考えてみましょう。第1言語は、赤ちゃんの頃から周りの人の言葉を大量に聞き、ふだんの生活でその言語を使って成長することで自然に身につきます。しかし、自然に言葉を獲得する時期を過ぎてからの第2言語習得は、意識的な学習を通じてするものです。例えば日本人が英語を勉強するというような場合ですね。

そのときに大事なのが文法です。文法を通じて意識的に学ばないと第2言語はなかなか身につきません。そのため、英語塾で英文法を学ぶことは、英語を話すのに役立つのです。また、英語塾で学ぶ読解も話す上で重要です。自分のペースでゆっくり読んで理解できないものは、ナチュラルスピードの英語で話されても聞き取れませんし、理解できないものを自分で話すことも当然できないからです。

(一定年齢以上の)語学学習の土台は文法と読解です。文法を学びたくさん読んでインプットし、それを拠り所に自分でも話したり書いたりアウトプットしていくのが基本です。英語塾で語学学習の土台を作った上で、オンライン英会話などのアウトプット活動をすれば、徐々に話せるようになるはずです。

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